いつも大変お世話になっております、SC57愛好家Canaseでございます。
今般、生産終了(モデルチェンジ)からおよそ12年が経過しているにも関わらずCBR1000RR(SC57)に乗り続けているor選んで乗っているオーナー様へのジャストインフォメーションとなります。
またこちらの症状に関してはネット中で散見される事とは思いますが、あえて今どきのバイクに乗らず古き良きバイクを愛する皆様が少しでも多くの情報を得られるようにと思いここに記します。
嘘です。
前々回くらいから電装トラブルに悩まされていましたが、遂に原因がわかったのでご報告です。
ただ、テスターで確認するだけの点検では見つけられなかったので同じような症状がある場合の参考になればと思います。
まぁ、、、
既出情報ですけどねw
前回までの流れとしては以下です。
高速道路にて100kmちょっと走った後にエンジンストール
→メーターもつかないくらいのカラッ欠
→レッカー
→勢いでレギュレーター購入
→交換する
→バッテリーも充電
→エンジン始動しても電圧低い
→エンジン回転数上げても電圧13Vにすら満たない
→ジェネレーターの抵抗値、発電異状なし
→電圧計付けて走りながら観察
→とりあえず走行時も停車時も12.5V前後をキープ
→なんでやねん
こんな感じ。
(詳しくは4つ前から前回までの記事にて)
とりあえず電圧計も付けて確認しながら走れるし、ジャンプスターターもあるので週末予定されていたツーリングにテスト走行を兼ねて参加することになりました。
新しく届いたテスターでバッテリー電圧と電圧計の数値を見比べてみましたが誤差は0.2Vだったのでかなり正確に出ているのかなと思います。
先日レギュレーターを換えても変化があまり見られず電圧が上がってこないので、やっぱりジェネレーターかなぁとは思っていましたが明らかに発電量が少ないけど全く発電してないわけじゃなかったし、抵抗値に異常はなかった上にアクセル開度に応じた出力電圧変化も見られたので、「発電量として低いだけなのかなー、まぁ12Vから落ちないなら完走できるはずっしょ」とまたしても楽観的なワタクシでございます。
その結果、家から出発してからは高速道路、峠道など回転数ガンガン上がるステージばかりなのにみるみる電圧は下がる一方でした。
完全にバッテリーに貯めている電力を食い始めてます。
完全に発電してないわ、これ。
ツーリングスタートから1時間半くらいで11.1Vまで下がり、これ以上走るとまた止まりそうだから帰宅しますとツーリング参加者に告げ離脱する事にしました。
帰りの高速では電圧低下が加速し、電圧計が8Vを切った辺りで遂にメーターがON/OFFを繰り返し始めます。最寄りの高速出口を降りるとき安心感からシフトダウンのタイミングでふとアクセルを緩めてしまった瞬間、、、落ちました。
惰性で高速を降り、安全な左端に停めて一息。
あとちょっとだったのになぁ、、、
ここで用意していた奥の手、ジャンプスターターにより再始動後、なんとか帰宅することができました。
勢いで買った充電器、ジャンプスターター、電圧計全てがめちゃくちゃ役に立ってて嬉しかったです。←ポジティブ
とりあえずは自分とバイクのクールダウン後に早速故障探求に移ります。
もう見るところは決まってます。
SC57のジェネレーターカバーは液体ガスケットにてシールしているので開けたくないという思いから、今までは電圧や抵抗値で点検してきましたが発電不良となると開けざるを得ません。
目視点検を行うためにちゃちゃっと外しちゃいましょう。
一応少量とはいえオイルが出る可能性があるので受皿用意。
カウル汚したくない人はアンダーカバーを外しておくことをおすすめします。
まずはサイドカウルを留めているボルト2つ(上の写真に映るジェネレーターカバー上部のボルトとサイドカウルの一番上部を留めているボルト)を外し、以前交換したレギュレーターから出ているジェネレーターと繋ぐための大きいコネクタ(3ピンの方)を外します。
その後ジェネレーターカバーのボルト8本全て外しますが、それだけでは液体ガスケットの固着とマグネットの吸着力で外れません。
プラハンでカバーをコンコン叩いてやると接着面に隙間を作ることができます。
これで液体ガスケットは剥がれているのであとはマグネットの力に非力?な私が打ち勝てるかどうかです。
接着面の隙間にマイナスドライバーを突っ込み、てこの原理を利用してカバーを浮かせます。
この時1方向から無理矢理ドライバーでこじると傷や曲がりの原因となるので2、3方向からドライバーを入れるなりして浮かせた状態で最後に力でカバーを引っ張るとポコッと取れます。
外れたジェネレーターカバーにステーターコイルがついていますので恐る恐る見てみましょう。
「やっぱりか」という気持ちと「マジかよ」という気持ちが融合します。
見事に焼けてます。
何だろうか、、、
原因がハッキリして良かったなーとは思うのですが、先日の記事でも紹介したとおりSC57前期はこのコイルの不良でサービスキャンペーンを実施してるんです。
つまり、後期である私のバイクは対策部品が使用されてるはずなんですよね。
それでも焼けちゃうんです、このように。
哀しみ。
そして驚くべき事に、この状態なのに3相の抵抗値は異状ないんですよ。
写真だとわかりにくいでしょうが全て抵抗値は0.02Ωです。
まぁ確かに対策品ではありますが12年60,000kmにもなるとやはりこのようになってもおかしくはないということですね。
コイルがこのように焼けていても抵抗値異常はなく冷間時は電力は低いですが発電するようです。
サービスマニュアルを持ってる場合は数値で発電量異常とかわかるかもしれませんが3相とも発電はしてるなくらいしかわかってなかったので結局ここに来るまで目視点検に踏み切れませんでした。
3つ前の記事を見ていただければわかると思いますが、レギュレーター交換自体は完全見切り発車でしたね、なんの故障診断もせずにいきなり部品オーダーとかしてるんでw
が、結果的には対策品になっているレギュレーターに換えられたのは予防としてはよかったのかなと思ってます。12年前の車両で60000km走行してますのでステーターコイル替えて今回の症状が直っても、いつレギュレーターが逝くかは予測できないので、発・充電系統のフレッシュアップとしてはセット交換はむしろポジティブに考えるべきでしょう。
とりあえず原因がわかったので部品をオーダーしました。
部品が到着したら取り付けだけで作業を終えられるように清掃しておきます。
カバーについているコイルは真ん中のボルト4本を外し、配線出口部を固定しているステーのボルト1本を外せば取れます。
かなり薄付きではありますが液体ガスケットの除去を行います。
接着面にオイルか556のような潤滑油を塗り砥石で軽く研いでしっかり脱脂しておくと次回取り付け時のガスケット塗布が楽になり、取り付け後のオイル漏れも防げますのでキレイにしておくことをおすすめします。
まぁこれくらい薄付きだったらやんなくても大丈夫だとは思いますのでそのへんは自己判断でw
フライホイール側も場合によってはこの焦げたコイルの破片とかカスが残ってる場合もあるのでキレイに掃除しておきましょう。
あとは部品が届くまではホコリの侵入を防ぐために一旦カバーをはめておきます。
そして空になったバッテリーを再充電。
部品が届くまでにできるのはここまでなのであとは部品を待ち、届いたらすぐに作業ができるよう液体ガスケットを買っておくようにします。
まぁ色々ありましたがきっとこれで直ってくれると思います。
というか直ってくれないと困ります、これ以上の故障探求は結構途方もない作業となり、嫌になってバイク放置する可能性がものすごく高いのでw
次回は取り付け+走行テストで直ったぜやっほぉぃ!!って記事をお届けできると思います、そう信じています。切に。
それではステーターコイル交換しても直らないみたいなオチを期待してお待ちください。
絶対期待裏切ってやるからな(-_-)
以上、長くなりましたが経過報告でした。
SC57にお乗りの方。
ネットで調べてみるとSC57の電気トラブルはレギュレーターもジェネレーターも一定数出て来ると思いますが、後期でサービスキャンペーン対象外の場合でもこのような事態が起こり得ることを念頭に置いて初期診断されることをお勧めします。
私のような見切り発車をするとレギュレーター代1万3千円くらいの出費がプラスされます。
ちなみに私は最初にストールした際、もう古いバイクだし両方やろうと思っていたのですがステーターコイルが思いの外高くて、レギュレーターやってだめだったらジェネレーターもやろうってスタンスだったから見切り発車したってだけなので、私のような方法でいきなり部品オーダーする人はいないと思いますがw
もちろん両方やっておきたい場合、念には念を派の方は気にせず両方やってください、部品代は合わせても4万円くらいですので。安心安全、レッカー費用を考えると決して高くはないと思いますので、まだまだSC57乗るんだぞ!って人は両方交換することも選択肢としてご検討ください(^^)/
関係ないけど作業してたら外に出せとうるさかった猫を晒しておきます。
ではでは。